三浦半島二大霊場 大開帳奉修 秘仏を巡る路 ⑧

龍塚山 武山不動院



浄土宗のお寺で、
正式には「龍塚山持経寺武山不動院」とのこと。

標高200mの武山の山頂に位置しており、
山頂まで車でいくことは可能だが、路が狭く、
向かいから車がきたら非常に困難。。往来オーライ


1397年、奈良東大寺の沙門萬務大阿闍梨が諸国行脚中に、
当時は武山の麓にあった当寺院に立ち寄り、
そこで彫った不動尊が現在の御本尊となっているそうな。

不動霊場第1番札所である。

醫王山 神武寺

醫王山 来迎院 神武寺 薬師堂


天台宗のお寺。
御本尊は薬師三尊で、正式の御開帳は33年に1度、
期間限定で拝むことができます。

まさにいまでしょ!


いいつたえによると、724年の正月、聖武天皇の命によって
行基菩薩が十一面観音、薬師如来、釋迦如来の仏像を
彫刻して奉安し、開山したのだとか。

その後、857年になると慈覚大師によって法相宗から天台宗に
改宗して今に至っている。

ここに訪れるのは実は2回目なのですが、
古いお寺さんだということがひしひしと伝わってきます。


薬師霊場第1番札所となる。






上の写真2つは2010年7月に訪れた際のもの。
この時当然お堂は閉まっています。
なんだか運命を感じてしまいますね (^u^)


というわけで神武寺が今回の秘仏巡り最後となりましたが、
33年に1度のお薬師様と12年に1度のお不動様が
こうして同時に2017年4月末~5月末の間
三浦半島で開帳されるという132年に1度ある
とてもありがたい機会にめぐりあうことができ、
感謝感無量としかいいようがありません。


三浦半島でおこなわれているこの御開帳の話を聞いた時は、
秘仏がこんなに同時開帳されているとはつゆも思わず、
御薬師様と御不動様の秘仏が1体ずつ半島のどこかのお寺さんで開帳されるんだろうな
程度にしか思っていなかった自分がなんとも恥ずかしく、情けなく、
お馬鹿なのかと猛省の限りです。

2010年にたまたま神武寺を訪れた際、お堂が閉まっており拝観できなかったお薬師様を
目の前で参拝できたことは、何かの縁を感じました。

このような機会を持つことができたことに感謝しながら、終わりとさせていただきます。

長々とありがとうございました。


まとめ




三浦半島二大霊場 大開帳奉修 秘仏を巡る路 ⑦

御霊山 正業寺



浄土宗のお寺で、不動霊場第10番札所。

こちらのお不動様は出世不動明王といい、
もとは光明院にあったものの廃寺によって明治初期に遷座。


いいつたえによると光明院の教光法師が、
「この地に光輝くものが現れる」と告げた翌朝、
不動尊が出現したと伝えられているそうな!



岩戸山 満願寺



続けざまに向かったお寺はこちら!

臨済宗建長寺派、鎌倉時代に創建。



右手奥にある収蔵庫には、三浦一族ゆかりの仏像、
菩薩立像、地蔵菩薩像、不動明王、毘沙門天といった仏像が
安置されており、
高さが2mは超える菩薩2体は
運慶の作ではないかといわれるものの、定かではない模様。


不動霊場第3番の札所である。








三浦半島二大霊場 大開帳奉修 秘仏を巡る路 ⑥

放光山 常福寺











浄土宗のお寺で、御本尊は阿弥陀三尊。

秘仏となるお薬師様(薬師霊場8番札所)と
お不動様(不動霊場7番札所)が同時に御開帳。


こちらのお不動様は感応院という寺の御本尊であったが、
明治以降の廃仏毀釈によって
廃寺となり、遷座して今に至るという!

波切不動とよばれる!!



また、お薬師様は2寸5分のとても小さな仏像です!!   

1寸が約3.03㎝


平素は秘仏ということからも、なんだか御利益が得られそうな予感が (^^)



つづく





三浦半島二大霊場 大開帳奉修 秘仏を巡る路 ⑤

明星山 傳福寺







1527年に開山した浄土宗のお寺。

堂内に御本尊の阿弥陀如来、千手観音、
そしてお薬師様が安置。

千手観音菩薩は、子年の本尊として
八佛霊場めぐりのひとつとして祀られている。





今回秘仏として開帳されていたのがこちらの
薬師如来(薬師霊場第9番)。

実はこちらのお薬師様は、
飛井地区山裾の医徳山薬厳寺の御本尊であったがすでに
とうの昔に廃寺となっており、今はこの傳福寺に遷座している。

飛井(とぶい)薬師とよばれ、
数少ない貴重な仏像といえよう!!!


つづく




三浦半島二大霊場 大開帳奉修 秘仏を巡る路 ひと息ランチ ④

豊魚


ランチは、日本有数の鮪の漁獲量を誇る三崎港が目と鼻の先にあることから、
鮨と鮪を食べたいなぁと寿司屋を探していると、

みつけたお寿司屋さんが、『豊魚』という寿司割烹

さっそく鮪をいただくことに~~




左が大トロまぐろ寿司(3,800円)、右がまぐろ寿司(1,600円)

まぐろ尽くしに舌鼓が鳴りやみません (笑)

もちろんこちらはM氏と程良く半々にして、割り勘とす。


グルメ番組など普段TVでみるような臨場感と違って、
実際に足をはこんで寿司屋のカウンター越しに
板前さんが寿司を握っている姿をみると、
まさに職人そのもの!!


都内に構える老舗の料亭や高級寿司屋など
“一見さんお断り”といわれるゆえんも
「おいしい」といって何度も足を運んでくれる
馴染みの客が優先されることは
なんとなく理解できるような気がする・・・(^_^.)


そして、寿司ネタの王といっても過言ではない大トロには実は、
血液をサラサラにする効果があるのだとか!

知る人ぞ知る!!

大トロにのっている脂には、ドロドロして老化が進んでいる
血液をサラサラした綺麗な血液に転換する
不飽和脂肪酸とよばれる成分DHA(ドコサヘキサエン酸)と
EPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれており、
美味しいうえに効率よく血液サラサラ成分を摂取できるので、
値は張りますが一石二鳥ともいえよう!!


DHAは血管をしなやかに保ち、悪玉コレステロールと中性脂肪を減らし、
  柔らかい赤血球をつくる

   EPAは血中の脂質バランスを改善し、固まりにくい血栓防止をつくる


ただカロリー高めなので、食べ過ぎには
何事も注意が必要ですね (>_<)


つづく



三浦半島二大霊場 大開帳奉修 秘仏を巡る路 ③

三浦霊場めぐり


三浦半島では七福神巡りというのもあって、
今回の大開帳奉修が行われている一方で、
さらに4月15日~5月15日の期間限定で
『干支守り本尊 開運 八佛霊場めぐり』というのもあったので、
それに纏わるお寺にも寄ってみることに・・・


寿福山 延壽寺



こちらのお寺は日蓮宗で、七福神巡りでは大黒天、
八佛霊場めぐりでは卯年の本尊である
文殊菩薩が祀られてます。

この寺の文殊菩薩はブルーの色をした獅子に乗っており、
正しい智慧を授けてもらえるように
一度拝んでおいた方がいいであろう!


飯盛山 妙音寺



こちらは高野山真言宗のお寺で、室町時代に彫られた
「まな板」に乗った珍しい不動明王が安置されており、
末那板不動明王といわれているそうな!


また、七福神巡りでは福禄寿、
八佛めぐりでは未・申年の本尊、大日如来が祀られていた!!




御本尊は不空羂索観世音菩薩、
向かって右がこのお寺の秘仏である
末那板不動明王(不動霊場第15番札所)、

そしてなんと向かって左の精悍な表情をした不動明王は
のちのち分かったことだがあとで参拝することとなる
武山不動院の不動明王で、
この妙音寺に出開帳できていたようです!


不空羂索観世音菩薩は、あらゆる人々の悩みを見逃すことなく
救済して願いを叶えてくださる菩薩様である!!
八本の手と三つ目の御姿で、手には蓮華と錫杖、
羂索という縄を持つ。。




三浦七福神巡りだとこちらの福禄寿も参拝できちゃいます!!!
幸福、身分、寿命のすべてを兼ね備えている、仙人のような
姿をした七福神のひとり




未・申年の本尊、大日如来がこちら!

出開帳で酉年の本尊、武山不動明王が本堂に安置されている
ことから、
ここで八佛霊場めぐりも二つ達成できちゃうわけです!!

さらに、四国八十八カ所お砂踏み巡礼もでき、

なんともこの青空の下、ありがたきことかなぁ




三浦半島二大霊場 大開帳奉修 秘仏を巡る路 ②

金剛山 浄楽寺



つづいて向かったのは浄土宗金剛山浄楽寺、鎌倉時代に
和田義盛が建立したと伝えられている寺で、本堂の裏にある
収蔵庫にはなんと、かの有名な仏師運慶作の阿弥陀三尊、
毘沙門天、不動明王の像が安置されている。





こちらの収蔵庫は開帳期間なので開いているが、
普段は閉まっている!
運慶による五体の仏像は、ふと見入ってしまうほど圧巻。


なぜこの場所に運慶の仏像があるのか?
それはどうやらこのお寺を建立した和田義盛とその夫人のために
造ったのだとか・・・


無量寺より出開帳していた秘仏の
薬師如来(薬師霊場第15番札所)も拝むことができ、
運慶の不動明王(不動霊場第20番札所)とあわせて
拝観することができた。


また、明治以降郵便局の創始者でもある前島密のお墓もある。

1円切手のおじいさんの肖像は何を隠そう前島密で、戦後から
登場した切手のひとつである。

前島密とはどのような人物であったのか?
調べてみると、なかなか凄い人でした。


【業績】

・漢文廃止の建議←国民に対し漢字教育の難しさを痛感し、国語調査委員として取り組む

・江戸遷都建言←これがなければ今の東京はなく、大阪が首都になっていたかも

・鉄道敷設の立案←前例ない中、建設費や営業収支の見積を作り、横浜~新橋間に鉄道開業

・新聞事業の育成←広く世間の出来事を伝える必要性があるとす

・日本通運の前身を創立←郵便輸送を中核

・日本郵船の前身となる海運政策

・郵便為替、貯金を開始

・訓盲院の創立←今の筑波大附属視覚特別支援学校の前身となる

・第一回勧業博覧会を上野で開催←その後の産業発達に大きな影響を齎す

・東京専門学校を創立←早稲田大学の前身となる

・電話の開始←東京と横浜市内が最初


などなど。。



運慶の仏像も見応えあるが、このように今の日本の礎となった
人物のお墓があるというのも知っておいて
損はないはずである!!!





三浦半島二大霊場 大開帳奉修 秘仏を巡る路 ①

百三十二年に一度の二霊場同年大開帳


2017年GW前半は、神奈川県にある三浦半島へと行って
きました。

なぜゆえに三浦半島へ行ったのかというと、なんと今年は
三浦半島で二霊場同年大開帳という132年に一度ある
三浦薬師如来(33年に一度の御開帳)と
三浦不動明王(12年に一度の御開帳)の同時秘仏開帳の年に
あたるということだったため、この機会を逃してなるものかと、
カメラと御朱印帳を携え、いざ出陣!!

というものの、そもそものきっかけは横浜に住む大学時代からの友人M氏に
誘われて、「ああ、そんなのあるのだ」という軽い気持ちから
興味を持ったわけですが、その友人の名前が
三浦であったため縁起も担いで・・・

この同年大開帳は実は期間が設けられていて、
4月28日~5月28日のひとつきの間のみ!
それゆえに、この期間以外に訪問しても普段は非公開なので
拝むことができないわけです!!

そして、同年大開帳をおこなっているお寺さんは全部で44カ所と、
全部周るのはちょっと厳しいので、M氏と厳選しながら
参拝させていただきました。

鎌倉抜けて逗子を抜け、葉山で一件目の
高野山真言宗守護山玉蔵院を参拝。























このお寺さん、最初参拝予定に
入っていませんでしたが車で横切ったところ、
なんとなく気になり引き寄せられるように
住宅街に入ってUターン。

第六感が働いてか・・・




玉蔵院は、葉山最古のお寺で明治期には歌人の若山牧水が
療養で滞在していたこともあるのだとか・・・

ここは三浦不動尊霊場第23番札所であり、他に三浦半島の
干支守り本尊として、上の写真、虚空蔵菩薩も安置されている。

虚空蔵とは、宇宙全体に拡がっている雄偉な仏の智慧を
表しているそうです。
右手には正しい智慧を表す利劔を、左手には福徳を表す
宝珠を持っている。

江戸時代に再興がなされ、室町時代につくられた仏像である。